【消された話】“からゆきさん”──教科書に載らない女性史の闇

明治期に海外へ渡った日本人女性“からゆきさん”の知られざる歴史を紐解きます。

目次

  • 1: “からゆきさん”とは──海外に渡った日本女性たち
  • 2: 国家ぐるみの黙認──なぜ教科書に載らないのか
  • 3: 今こそ知るべき“からゆきさん”の記憶
  • 4: ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)

“からゆきさん”とは──海外に渡った日本女性たち

明治から昭和初期にかけて、日本の農村から“ある女性たち”が海を渡っていきました。彼女たちは「からゆきさん」と呼ばれ、東南アジアやシベリア、ハワイなどへ“出稼ぎ”に出された日本人女性たちです。

でもその実態は、ただの出稼ぎではありません。貧困や家族の事情で送り出された彼女たちの多くは、現地で性労働に従事させられ、過酷な生活を強いられていました。貨物船の船底で何週間も過ごし、到着後すぐに娼館へ──そんな人生が、当時の新聞や記録にひっそりと残されています。

彼女たちは、日本の近代化の裏で犠牲となった“消された歴史”の象徴なのです。

国家ぐるみの黙認──なぜ教科書に載らないのか

では、なぜ“からゆきさん”の存在は歴史の表舞台から消されたのか──実は、当時の日本政府は彼女たちの海外渡航を把握していました。にもかかわらず、経済的な外貨獲得外交上の都合から、あえて黙認していたのです。つまり、国ぐるみで“見て見ぬふり”をしていたというわけ。

そして戦後になると、教育方針は「明るい未来」を描くことにシフト。戦争や性搾取などの“負の歴史”は、教科書から意図的に排除されていきました。

その結果、現代の若者たちは“からゆきさん”の存在すら知らず、女性史の空白が生まれてしまったのです。

今こそ知るべき“からゆきさん”の記憶

教科書には載らなかった“からゆきさん”ですが、その足跡は今も世界のあちこちに残っています。東南アジアの墓地記念碑、そして現地の人々による口伝などが、彼女たちの存在を静かに語り継いでいるのです。

近年では研究者や作家がその歴史を再評価し、ドキュメンタリーや小説でも取り上げられるようになってきました。

彼女たちの物語を知ることは、単なる過去の話ではありません。歴史の“光と影”を理解し、未来の教育や社会のあり方を考える第一歩になるのです。

ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)

あさと

さて今日のテーマは「からゆきさん」。いや〜、正直、僕もこの言葉を聞いたのは最近なんですよ。琳琳さん、改めて簡単に説明してもらえますか?

琳琳

はい。からゆきさんとは、明治から昭和初期にかけて、日本の貧しい農村から海外へ“出稼ぎ”に出された女性たちのことです。行き先は東南アジアやシベリア、ハワイなど。でも実際には、性労働に従事させられるケースが多く、過酷な生活を強いられていました。

ロン

貨物船の船底で何週間も移動し、到着後すぐに娼館へ。これは人身売買に近い構造ですね。しかも、当時の政府はその実態を把握しながら黙認していたという記録もあります。

あさと

ええっ、国が黙認してたんですか?それってもう、完全に“闇”じゃないですか。

琳琳

そうなんです。外貨獲得の手段として、からゆきさんの存在は“都合のいい犠牲”だったとも言われています。でも戦後になると、教育方針が「明るい未来」重視に変わって、こうした“負の歴史”は教科書から排除されてしまったんです。

ロン

結果として、現代の若者はこの事実をほとんど知らない。女性史の空白が生まれているわけですね。

あさと

ところで、“からゆきさん”って名前、ちょっと不思議ですよね。なんで“から”なんでしょう?

琳琳

諸説ありますが、一説には「唐(から)」=海外という意味で、“海外へ行った人”というニュアンスがあるそうです。九州の方言船乗りの言葉が由来とも言われています。

ロン

ちなみに、彼女たちの足跡は今も残っています。東南アジアの墓地記念碑、現地の人々の口伝などが、静かに語り継いでいるんです。

あさと

うわぁ…なんか、胸が詰まりますね。名前も、記憶も、全部が遠くに置き去りにされてる感じ。

琳琳

最近では、研究者や作家からゆきさんの歴史を再評価し、ドキュメンタリーや小説でも取り上げられるようになってきました。少しずつですが、彼女たちの存在が“見える化”されてきています。

ロン

この話を知ることは、単なる過去の掘り起こしではありません。日本の近代化の裏にあった犠牲、女性史の空白、そして教育のあり方を考えるきっかけになります。

あさと

そうですね。“からゆきさん”という言葉を知るだけでも、歴史の“光と影”が見えてくる。教科書に載らないからこそ、こういう雑学ラジオで伝えていく意味があると思います。

琳琳

はい。忘れられた女性たちの記憶を、今こそ私たちが受け止める時かもしれません。

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