からゆきさん──“出稼ぎ”の名で消された少女たちの真実
目次
- 1: “からゆきさん”とは?──東南アジアに消えた日本の少女たち
- 2: 国家ぐるみの黙認──なぜ止められなかったのか
- 3: なぜ教科書から消されたのか──“都合の悪い歴史”の行方
- 4: ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
“からゆきさん”とは?──東南アジアに消えた日本の少女たち
「からゆきさん」って、聞いたことありますか?
明治から昭和初期にかけて、日本の貧しい地域──特に九州や沖縄などから、たくさんの少女たちが“出稼ぎ”という名目で海外に渡っていきました。
でもその“出稼ぎ”、実はただの労働じゃなかったんです。
行き先は東南アジアやシベリアなど。そこで彼女たちが待っていたのは、売春宿での過酷な日々。中には、まだ10代前半の少女もいて、家族の生活を支えるために、文字通り“身体を売る”ことを強いられていたのです。
今ではあまり語られないこの歴史。けれど、彼女たちは確かに存在し、海の向こうで生きていました。
国家ぐるみの黙認──なぜ止められなかったのか
からゆきさんたちが海外で過酷な生活を強いられていた頃──実は、日本政府はその実態を知りながらも、ほとんど動かなかったんです。
当時の日本は経済的に苦しく、彼女たちが現地で稼ぐ外貨は「国益」と見なされていました。つまり、少女たちの犠牲の上に、国の財布が潤っていたというわけです。
もちろん、外交問題になることを恐れる声もありました。でも、政府は積極的に取り締まることはせず、むしろ“見て見ぬふり”。一部の領事館では、彼女たちの存在を把握していながら、記録を残すだけで何もしなかったケースもあると言われています。
「国のため」という名のもとに、少女たちの人生は黙って切り捨てられていたのです。
なぜ教科書から消されたのか──“都合の悪い歴史”の行方
からゆきさんたちの存在は、戦後の日本でほとんど語られなくなりました。その理由は、単に忘れられたからではありません。むしろ、意図的に“封印”されたと言ってもいいかもしれません。
戦後の日本は、経済大国としてのイメージを世界にアピールすることに必死でした。そんな中で、「貧困ゆえに少女が海外で売られていた」なんて話は、あまりにも都合が悪かったのです。
さらにこの話には、女性の人権や国家の責任といった、センシティブな問題が絡んでいます。だからこそ、教科書からはそっと省かれ、語られることも少なくなっていきました。
でも最近になって、研究者やドキュメンタリーの働きかけによって、からゆきさんの存在は少しずつ再評価され始めています。消されたはずの歴史が、ようやく光の下に戻ってきたのです。
ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
さて、今日のテーマは「からゆきさん」。いや〜、正直、名前は聞いたことあったけど、ここまで深い話だとは思わなかったなあ。
ですよね。明治から昭和初期にかけて、日本の少女たちが“出稼ぎ”という名目で海外に渡っていたんですが、実態はほとんど人身売買に近かったんです。
統計的には、特に九州や沖縄などの貧困地域から多くの少女が送り出されていました。年齢は10代前半が中心。目的地は東南アジア、シベリア、満州などで、売春宿での労働が主でした。
10代前半って…まだ子どもじゃないか。そんな子たちが、家族のために海外に行って、しかも売られるなんて……。
しかも、当時の日本政府はそれを黙認していたんです。彼女たちが稼ぐ外貨が“国益”になるという理由で、見て見ぬふりをしていた記録もあります。
一部の領事館では、からゆきさんの存在を把握していながら、積極的な保護や救済は行われませんでした。外交問題になるのを避けたかったのでしょう。
でもさ、現地での生活ってどうだったんだろう?ずっと売春宿にいたのかな?
もちろん過酷な環境が多かったんですが、中には現地の男性と結婚して、そのまま現地に根を下ろした人もいたそうです。マレーシアやシンガポールには、今も彼女たちの足跡をたどる資料館があります。
文化的な影響も残っていますね。例えば、現地の人々の間で「ジャパニーズ・ガール」という言葉が定着していたり、墓地に日本語の墓石が残っていたり。
うわぁ…それ、ちょっと胸が痛いけど、同時に“生き抜いた証”でもあるんだね。
そうなんです。彼女たちはただの“被害者”ではなく、異国の地でたくましく生きた女性たちでもあるんですよ。
でも、こんなに大きな話なのに、なんで教科書に載ってないんだろう?
それは、戦後の日本が経済大国としてのイメージを大事にしたからです。からゆきさんの話は、女性の人権や国家の責任といったセンシティブな問題を含んでいて、“都合の悪い歴史”として封印されてしまったんです。
ただ、近年では研究者やドキュメンタリーの働きかけによって、ようやく再評価が進んでいます。データベース化や証言の収集も進み、少しずつ“見えなかった歴史”が可視化されつつあります。
うん、今日の話は本当に考えさせられたなあ。
「からゆきさん」──名前だけじゃなく、その背景や真実まで、もっと多くの人に知ってもらいたいね。