【公にはされない】ハイブランドが在庫を“捨てる”本当の理由とは
目次
- 1: 1. なぜ“値下げしない”のか──ブランドが守りたいもの
- 2: 2. 【公にはされない】売れ残りの“行き先”というタブー
- 3: 3. 消費者が知らない“価値の作られ方”とこれから
- 4: ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
1. なぜ“値下げしない”のか──ブランドが守りたいもの
ハイブランドって、どうしてあんなに値下げをしないのか。
「売れ残ったなら安くすればいいのに」と思う人も多いけれど、実は彼らにとって価格は単なる数字じゃなくて、ブランドの格そのものなんです。いわば「値札=プライド」。ここが崩れると、一気に特別感が薄れてしまう。
そもそもハイブランドの歴史をたどると、王侯貴族のための仕立て屋だったり、限られた顧客だけが買えるステータスの象徴だったりと、「選ばれた人だけが持てる」という物語がずっと続いてきました。マーケティングの世界でも、価格を下げることは格を下げる行為とされ、ブランドにとっては致命傷になりかねない。
だからこそ、売れ残りが出ても「じゃあ安くしよう」とはならず、むしろ値下げしないための仕組みが徹底されていきます。結果として、「売れないなら捨てる」という極端な判断まで生まれてしまうわけです。
2. 【公にはされない】売れ残りの“行き先”というタブー
では、その値下げしない姿勢の裏で、売れ残った商品はどこへ行くのか。
ここから先は、ブランド側があまり語りたがらない領域です。
まず、多くの人が思い浮かべるのがアウトレット。
確かに、シーズン落ちの商品や軽い傷物はアウトレットに回されることがあります。ただし、ここには明確な線引きがあって、「ブランド価値を損なわない」と判断されたものだけが流通を許されます。逆に言えば、アウトレットに出すことで安売りのイメージがつきそうな商品は、そもそも回されない。
では、それらはどうなるのか。
実は、業界では昔からタブーとされてきた方法があります。
それが廃棄。
値下げできない以上、売れ残りを市場に残すわけにはいかず、ブランドによっては新品のまま処分されるケースもあるのです。
なぜそこまで徹底するのかというと、背景には供給量をコントロールして希少性を保つというロジックがあります。
「欲しい人全員が買える状態」は、ハイブランドにとってはむしろマイナス。
市場に余りが出れば特別感が薄れ、価格の正当性も揺らいでしまう。
だからこそ、売れ残りは「存在しなかったことにする」という極端な選択が生まれるわけです。
3. 消費者が知らない“価値の作られ方”とこれから
こうした「売れ残りを表に出さない」仕組みは、実はブランド価値を演出するための重要なピースでもあります。
市場に余りが見えないからこそ、「いつでも買えるものじゃない」という希少性が保たれ、結果的にブランドの特別感が強化される。
つまり、廃棄という行為そのものが、ある意味で価値を作る装置として機能してきたわけです。
しかし、このやり方は近年、世界的に強い逆風を受けています。
サステナビリティの観点から、廃棄は「時代遅れ」と見なされ始め、各国で規制の動きも出てきました。
「新品を捨てるなんておかしい」という声が消費者の間でも広がり、ブランド側も無視できなくなっている。
その一方で、リセール市場は急成長中。
中古品の売買が当たり前になり、若い世代ほど「新品じゃなくてもいい」という価値観を持つようになっています。
この流れは、ハイブランドの戦略にも確実に影響を与えつつあり、実際に一部ブランドは自社でリセール事業を始めたり、修理サービスを強化したりと、「捨てない方向」へ舵を切り始めています。
これからのブランド価値は、単に「希少で高い」だけでは成立しないかもしれません。
「どう作り、どう循環させるか」というストーリーそのものが、新しい「格」として求められる時代に入っているのです。
ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
さあ、ここからは今日のテーマ「ハイブランドの在庫ってどこへ行くの?」を、もう少し深掘りしていきましょう。前半では値下げしない理由とか、アウトレットに回すかどうかの線引きなんかを話しましたけど……いやあ、改めて聞くと「値札=プライド」ってすごい世界ですね。
本当にそうですよね。ブランド価値を守るために、売れ残りを市場から消すという発想は、一般の小売とはまったく違います。廃棄という選択肢が生まれるのも、その“特別感”を維持するためなんです。
技術的に言えば、供給量をコントロールすることで希少性を人工的に作っている状態だワン。市場に余りが出ないように調整するのは、ブランド戦略としては合理的だワン。
でもさ、ロン。人工的に希少性を作るって、なんか“幻のポケモン”みたいな感じしない?
比較対象が急にかわいい方向に行ったワン。
あはは。でも、あさとさんの例え、意外と本質ついてますよ。「手に入りにくい=価値がある」という心理は、ブランドもゲームも同じですから。
なるほどねえ。じゃあ、もしブランドが「在庫全部アウトレットに出します!」なんてやったら……
「幻のポケモンがコンビニで売られる」くらいの衝撃だワン。
それはブランド価値が一気に崩れちゃいますね。だからこそ、廃棄という極端な手段が選ばれてきたわけです。
いや〜、なんか聞けば聞くほど“もったいない精神”とは真逆の世界だなあ。
ただ、ここ数年で状況は大きく変わりつつあります。サステナビリティの観点から“新品を捨てる”という行為が世界的に問題視されていて、規制の動きも出ています。
さらに、リセール市場の拡大も無視できないワン。若い世代は「新品じゃなくてもいい」という価値観を持っていて、ブランド側もリセールや修理サービスに参入し始めているワン。
つまり、これまでの「捨てて価値を守る」から、「循環させて価値を作る」へ、時代が動いてるってことだね。
はい。これからのブランド価値は、単に“高い・希少”だけではなく、どう作り、どう循環させ、どう環境に配慮するかという“ストーリー”が重要になっていきます。
まとめると――
ハイブランドが在庫を捨てる理由は、ブランド価値と希少性を守るため。
でも今後は、サステナビリティやリセール市場の拡大によって、廃棄に頼らない新しい戦略が求められるワン。
いや〜、今日も深かったね。「高いものには理由がある」って言うけど、その裏側には“見せない努力”があったわけだ。これからどう変わっていくのか、注目だね。
