【公にはされない】カタログ燃費が“実燃費と違う本当の理由”とは
目次
- 1: カタログ燃費は“現実とかけ離れた数字”なのか
- 2: メーカーが研究する“燃費を稼ぐ走り方”の存在
- 3: 現場にいる“燃費職人”という専門職
- 4: ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
カタログ燃費は“現実とかけ離れた数字”なのか
「カタログ燃費って、なんで“あんなに良い数字”が出るんだろう?」多くの人が一度は抱くこの疑問、その理由はテスト環境の特殊さにあります。実は、燃費テストは私たちが普段走っている道路とはまったく別世界。温度も風も一定、信号も渋滞も坂道も存在しない、まるで理想の実験室で測られているんです。
しかも、アクセルの踏み方や速度の上げ下げまで細かく決められていて、一般ドライバーが再現するのはほぼ不可能。エアコンもつけないし、急加速も禁止。日常の運転とはかけ離れたお行儀の良すぎる走り方で測られた数字が、カタログ燃費として掲載されているわけです。
では、なぜそんな非現実的な条件が採用されているのか。背景には「どのメーカーの車でも公平に比較できる基準を作らなければならない」という事情があります。現実の道路は地域や季節で条件がバラバラ。だからこそ、あえて実験室の理想環境で統一するしかなかったのです。
メーカーが研究する“燃費を稼ぐ走り方”の存在
カタログ燃費の裏側には、実はテスト専用の走り方という世界があります。メーカーの開発現場では、アクセルの踏み込み量から速度の上げ下げまで、燃費テストで最も効率が出る黄金パターンが細かく研究されています。
例えば、アクセルは「じわっ」と一定の力で踏み、速度は決められたカーブに沿って正確に維持。ほんの数キロのズレでも燃費が変わるため、テスト担当者はミリ単位の操作を追求します。中には、速度の波を最小限に抑えるための呼吸のリズムまで意識する人もいるほどです。
もちろん、こうした技術は一般ドライバーの運転とはまったく別物です。私たちは信号で止まり、渋滞に巻き込まれ、エアコンも使う。アクセルを一定に保つなんて街中ではほぼ不可能。つまり、メーカーが磨き上げた燃費を稼ぐ走り方は、あくまでテスト環境で最大限の数字を引き出すための特殊スキルなのです。
現場にいる“燃費職人”という専門職
燃費テストの現場には、実は燃費職人と呼ばれる専門ドライバーが存在します。彼らは、テスト車両が持つポテンシャルを最大限に引き出すためだけに訓練された、いわば燃費のプロ。アクセルの角度、速度の揺れ幅、ブレーキのタイミングなど、すべてをテスト基準に合わせて最適化し、数字を1km/Lでも伸ばすことを使命としています。
彼らの仕事は、ただ上手に運転することではありません。テストコースやローラー台での走行データを分析し、「どの速度帯で効率が最も高いか」「どの踏み込み量がロスを最小限にできるか」を調整し続ける、まさに職人芸。同じ車でも、燃費職人が運転すると数値が目に見えて変わることも珍しくありません。
こうした専門技術があるからこそ、カタログ燃費は“その車が理論上出せる最大値”に近づいていきます。しかし当然ながら、一般ドライバーが日常でこの走り方を再現するのは不可能。信号、渋滞、荷物、エアコン、急加速など、現実の運転には燃費職人が排除している要素が山ほどあります。つまり、カタログ値と実燃費の差は「車の性能差」ではなく、「走り方の前提条件がまったく違う」ことから生まれているのです。
ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
さあ今日も始まりました“クルマの裏側トーク”。前半では、カタログ燃費って実験室の理想値で測られてるって話をしてきましたけど……いやあ、あれは驚きましたね。信号も渋滞もない世界で測ってるなんて。
そうなんです。しかもアクセルの踏み方まで細かく決められていて、一般のドライバーではまず再現できないという……。
さらに、メーカー内部では燃費を稼ぐ走り方が研究されています。アクセル角度、速度変化、ブレーキタイミング……最適化のためのデータは膨大です。
で、極めつけが燃費職人。あれは衝撃でしたよ。そんな専門職がいるなんて、普通は知らないですよね。
はい。燃費職人は、テスト車両が持つ性能を最大限に引き出すためのプロフェッショナル。一般の人が真似できる領域ではありません。
彼らの操作は、もはや“人間精密機械”と言ってもいいレベルです。速度の揺れ幅を最小化し、アクセルの踏み込みを一定に保つ。これが燃費テストの数値を押し上げる大きな要因です。
でもさ、ロン。君みたいなAIロボット犬なら、その“燃費職人”の動きを完全コピーできるんじゃないの?
理論上は可能です。ただし私は犬型なので、アクセルペダルに足が届きません。
そこなんですね(笑)。形状の問題。
いやいや、そこは改良してもらって……。でも実際、AIが運転したら燃費めちゃくちゃ良くなりそうですよね。
一定速度を保つことに関しては、人間よりAIのほうが得意です。ただし、テスト環境は“人間が運転する前提”で作られているため、AIが入る余地はまだ少ないのです。
なるほど。制度のほうが追いついていないんですね。
でも、燃費職人の技術って、もはや“人間版クルーズコントロール”みたいなものですよね。
精度はそれ以上です。呼吸のリズムまで調整する人もいます。
呼吸!? もうアスリートじゃないですか。
では最後に、今日のまとめを整理しますね。
まず、カタログ燃費は“実験室の理想条件”で測定されるため、実燃費とは大きく差が出ることがあります。
そして、メーカーはテスト専用の燃費を稼ぐ走り方を研究していて、アクセルワークや速度維持の最適化が徹底されています。
さらに、テストには燃費職人と呼ばれる専門ドライバーが存在し、彼らの精密な操作がカタログ燃費を最大化しています。
つまり、カタログ燃費と実燃費の差は“車の性能差”じゃなくて、“走り方の前提条件が違いすぎる”から生まれてるってことですね。
その通りです。だから車選びでは、カタログ燃費だけでなく、WLTCモードの各走行パターンや、自分の生活環境に近い条件を参考にするのが大切なんです。
カタログ燃費の裏側を知ることで、数字の意味がより立体的に理解できます。
今日の話を聞いたら、もうカタログ燃費の数字を“そのまま信じる”ってことはなくなりますね。裏側を知るって大事です。
