【禁断の真相】透明すぎる氷がカフェ業界で問題になった本当の理由
目次
- 1: 1. 写真映えブームが生んだ“透明すぎる氷”とは
- 2: 2. 工業用氷がカフェに流入した“グレーな理由”
- 3: 3. 透明氷ブームの裏で起きた“基準見直し”と現在
- 4: ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
1. 写真映えブームが生んだ“透明すぎる氷”とは
カフェのドリンク写真をSNSに上げるとき、主役よりも氷がバズる──そんな時代がありました。特に人気だったのが、まるでガラス細工みたいに透き通った“透明すぎる氷”。光を受けてキラッと輝くその見た目は、どんなドリンクでも一気に“映え”に変えてしまう魔法のアイテムとして、カフェ業界に一気に広まりました。
この透明感を出すために、ゆっくり凍らせる特殊な製法や、不純物を極限まで取り除く専用の装置が使われることもありました。ところがブームが加速する中で、問題がひそかに混ざり込んでいたのです。なんと、一部の“透明氷”は本来食品用ではない氷──つまり、見た目の美しさだけを追求した“工業用の氷”が、カフェの現場に流れ込んでいたケースがあったのです。
2. 工業用氷がカフェに流入した“グレーな理由”
では、なぜそんな工業用の透明氷がカフェにまで入り込んでしまったのか。背景には、食品用氷と工業用氷の基準の違いという、少し複雑な事情があります。食品用の氷は水質検査や衛生管理が求められますが、工業用氷は「見た目がキレイならOK」というケースも多く、そもそも飲食に使う前提では作られていません。
ところが、SNS映えを狙うカフェでは「とにかく透明度の高い氷がほしい」というニーズが急増。そこで一部の業者が、透明度だけは抜群に高い工業用氷を“安く・大量に”提供し始めたのです。見た目は完璧でコストも安い──そんな条件に惹かれてしまった店があったのも無理はありません。
さらに国によっては、食品衛生法の基準が曖昧だったり、氷の分類がグレーだったりして、「違法ではないが、完全にセーフとも言えない」という危ういラインが存在していました。こうしたスキマを突く形で、工業用氷が飲食店に流れ込んでしまったのです。
3. 透明氷ブームの裏で起きた“基準見直し”と現在
工業用氷の流入が問題になったことで、各国の行政も動き始めました。まず行われたのは、氷の分類や衛生基準の見直しです。これまで曖昧だった「食品用」と「非食品用」の線引きが明確化され、飲食店で使用する氷にはより厳しいガイドラインが整備されました。中には、製氷業者に対して定期検査を義務化する国も登場し、透明氷ブームが思わぬ形で制度改革を後押しする結果となりました。
同時に、技術面でも大きな進化が起きました。問題が表面化したことで、メーカー各社が安全性と透明度を両立した食品用透明氷の開発に本格的に取り組み始め、現在では工業用氷に頼らずともガラスのように透き通った氷を安定して作れるようになっています。まさに“映え”と“安心”の両立が実現した形です。
そして今のカフェ業界では、ただ見た目が美しいだけでは不十分で、「安全性も含めてどれだけ信頼できるか」が問われる時代になりました。透明氷ブームは、単なる流行ではなく、飲食の世界に美しさと安全のバランスという新しい価値観をもたらしたと言えるでしょう。
ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
さて、ここまで透明すぎる氷の裏側を見てきましたが……いやあ、まさか工業用の氷がカフェに紛れ込んでたなんて、ちょっと衝撃でしたね。
本当に意外でしたよね。見た目がキレイなだけで、食品用じゃない氷が使われていたケースがあったなんて、普通は想像しませんから。
透明度を追求すると、不純物を極限まで取り除く必要がある。工業用氷はその点だけを見ると優秀だった。ただし“飲む前提ではない”という大前提が抜け落ちていた。
いやいや、飲み物に入れる氷が“飲む前提じゃない”って、言葉としてもうアウトでしょ。
でも当時はSNS映えのブームが強かったですからね。“とにかく透明な氷を!”というニーズが先行してしまったんでしょうね。
ところでロン、透明な氷ってどうやって作るの? 家庭でやっても白く濁っちゃうんだけど。
家庭用冷凍庫は急速に凍らせるから、空気や不純物が閉じ込められて白くなる。ゆっくり凍らせる方向性凍結という方法を使うと透明になりやすい。
方向性凍結……なんだかSF映画に出てきそうな名前ですね。
“方向性凍結システム、起動!”みたいな。
残念ながら家庭用では難しいけど、最近は透明氷メーカーも増えてきている。技術の進化は速い。
いやあ、氷ひとつでここまで語れるとは思わなかったなあ。
さて、最後に今日のまとめです。透明氷ブームの裏では、食品用と工業用の基準の曖昧さが問題を生み、カフェ業界に透明すぎる氷が流入する事態が起きていました。
その後、各国で基準の見直しが進み、食品用透明氷の技術も大きく進化した。今では安全性と透明度を両立した氷が一般的になっている。
つまり、今のカフェで使われている透明氷は“映えるだけじゃなくて、安全性もちゃんと確保されている”ってことですね。
はい。これからの時代は、透明氷の美しさだけでなく、食品としての安心感も含めて選ばれるようになっていくはずです。
“映え”と“安全性”のバランスが求められる時代だね。透明氷はその象徴と言える。
というわけで、今日は透明すぎる氷がカフェ業界で問題になった理由を深掘りしてきました。見た目の裏側には、意外とドラマがあるんですね。
皆さんも、次に透明な氷を見たときは、ちょっとだけ今日の話を思い出してみてくださいね。
以上、技術担当のロンでした。
それではまた次回お会いしましょう。
